お寿司屋さんのバイトで血尿が出た話
学生ビザを取って、ニューヨークに戻って来てすぐの頃の話です。
私、本当に本当に貯金ギリギリで来たので、到着した3日後にはお寿司屋さんにいました。もちろん美味しいお寿司を食べに来たわけではありません。
働きに来たんです。涙
そこは日本人経営のまあまあ人気店で、人手が足りないということで、経験ゼロの私でも即採用でした。
面接の時に、『英語はまだ全然喋れないので、キッチン作業でお願いします。』と伝え、キッチン採用になったはずなのですが、結局人手不足ということで、ウエイトレスにかりだされました。
当時の私は本当にイッパイイッパイで、先輩たちが言ってる日本語すら理解できませんでした。
ちぇっく?(お会計)
あめっくす?(AmericanExpress)
あぱたいざー?(前菜)
だっさい?(獺祭)
かんのこ?(神の河)
せるつぁー?(炭酸水)
しーあーちん?(Sea Urchin ウニ)
まっきゅえる?(Mackerel 鯖)
ばうんちー?(バウンティとはアメリカの超頑丈なキッチンペーパーのこと。)
と、まぁ酷いもんだ。笑
こんな状態でマトモに働けるわけもなく、先輩方には大変ご迷惑をおかけしました。というか、先輩のお姉様たちが怖くて怖くて、言われたことが全く頭に入ってこないループに陥ってました。
朝9時半に入ってランチ営業の準備、ウエイトレス業務と洗い物して、2時半に賄い食べて、4時半まで仮眠。乾燥した客席での仮眠は、かなり体力が消耗されます。そしてその後、11時過ぎまでディナー営業、タイムカードを切る頃にはボロボロになるのです。
ただ大将にだけは気に入ってもらえて、閉店後に日本酒の勉強という名目で、深夜3時過ぎまで酒盛りが続くのでした。酒飲みの私にとって、それはそれは最高のご褒美タイムでした。
毎日毎日辞めたいと思ったけど、唯一、店前の並木道の掃き掃除をしている時は『ここはニューヨークなんだ!』と感じることができ、ひとりワクワクしてた。冷たい北風も気持ちよかった。
と、まあ、こんな感じで3週間頑張りました。
(たったの3週間かよってツッコミお待ちしてます。)
ガッツリゆとり世代の私は、苦手分野に関しては特段に打たれ弱く、ある日血尿が出たのです。笑
当時私は保険に加入していなかったため、病院代でバイト代が消えることを恐れて辞めました。
これが私のNY初バイトです。
最後に超余談なのだけども、
私の旦那さんの元カノが、昔同じお寿司屋さんでバイトしてたそうです。 日本人社会の狭さを思い知りました...
自分の心に言い聞かせる。
【適材適所、適材適所】